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2025.10.10
 
時差出勤で通勤手当が下がったら? ― オフピーク定期と月額変更の関係
                            
                                2025年10月から、3歳から小学校就学前の子どもを育てる従業員に対して、柔軟な働き方を実現するための措置を講じることが企業に義務付けられます。
                                この「柔軟な働き方」には、たとえば時差出勤など始業・終業時刻を変更する制度も含まれます。
                                最近では、通勤ラッシュを避けるために「オフピーク定期券」を利用するケースも増えています。
                                これは、平日の朝のピーク時間帯を外して利用できる定期券で、通常の定期券より割安な料金設定となっています。
                            
会社が通勤費を負担する場合、その金額は原則として社会保険料の算定基礎に含まれます。
                                つまり、オフピーク定期券に切り替えることで通勤手当が下がると、「固定的賃金の変動」とみなされる可能性があります。
                                ただし、通勤手当が下がったからといって、すぐに標準報酬月額が変わるわけではありません。
                                以下の3つの条件をすべて満たした場合に、「随時改定(いわゆる月額変更)」が行われます。
                            
- 1. 固定的賃金に変動があった(1円でも変われば条件の1つ)
 - 2.変動後3か月間の平均報酬(残業手当や歩合給などの非固定的賃金を含む)と、変動前の標準報酬月額に「2等級以上の差」が生じた
 - 3. その3か月の全期間で支払基礎日数が17日以上(短時間労働者は11日以上)あった
 
これらを満たした場合に、標準報酬月額が改定されることになります。
                                そのため、オフピーク定期券に切り替える際は、通勤費の減額が保険料に影響する可能性があることを念頭に置いておくとよいでしょう。
                            
- ・時差出勤など柔軟な働き方の導入は、今後多くの企業で進む見込み
 - ・オフピーク定期券は通勤費の節約につながるが、社会保険上の月額変更に注意
 - ・変更があった場合は、3か月後に報酬の平均を確認し、該当するかどうかを判断
 
制度導入の際には、就業規則や給与計算の運用とあわせて確認することをおすすめします。
